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エポキシフィルム-溶媒の選択

 ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)とビスフェノールA(BPA)を交互共重合させて、高分子量エポキシ重合体を合成します。到達する分子量は合成時の溶媒に左右されると考えました。

 過去の特許では、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン(CHON)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、エチレングリコールモノメチルエーテル(EGMM)、エチレングリコールモノエチルエーテル(EGME)などが使われていたので、これらの溶媒を試しました。これらに関連して、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DGMM)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EGME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGDM)なども試しました。

 さらにポリイミドのプレポリマーであるポリアミド酸の合成にはアミド系溶媒がよく使われます。MEKやDGMM、DGDMなどでは分子量が10万を超える前に重合体が析出してしまいますが、アミド系溶媒のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)などでは析出しません。

 最終的にはDMACを選択しました。重合体の濃度は20%です。

 この重合体溶液を薄くガラス板に塗布して、加熱乾燥すればエポキシフィルムができます。